11.21.16:09
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05.08.23:19
ペグについてのアレコレ その1 ~角度編~
以前はペグは45度(張り綱に対し90度)で打つべしと言ってたよね。
けど最近は90度(地面に対し垂直)がいいって言われてるみたい。
なぜ変わったのか。
ヤフーの知恵袋なんかでもあったが、回答が私にはいまいちだったんで私なりの理論で説明してみる。
知恵袋では結局、45度だと強い力が加わった時に90度に引き起こされてしまうから、最初から90度にして動かないようにした方が良いっ的な感じだった。
張り綱(力の方向)を地面に対し45度に引くとすれば、その力の方向に対し90度になる45°でペグを打ち込めば最も強度は強いはずである。
だから以前はペグは45度で打つべしだったのである。
力学的には正解だ。
しかしこの理論は力のベクトルのみを考えた場合だ。
ペグの形状や地面の固さなどの実際の使用条件が加味されていない。
たとえば太さ5mmのピンペグを6mmの穴の開いたコンクリートにすっと挿したならばこの理論は当てはまる。
張り綱を掛けて、引っ張ってみて、45度で引いてるだけなら両方とも抜けることはないかも知れないが、風が巻いて下から煽るような場合も想定して、ちょと角度を変えたり、強弱を付けたりしたら、90度だと次第にずり上がり抜けてしまうだろう。
45度ならばまず抜けることはないだろう。
実際の45度の場合の問題は、なぜ45度だと引き起こされてしまうのかということだ。
それは地面が「柔らかい」場合、「ペグが細い」「ペグが短い」場合に起こりやすい。
地面が固く、幅の広いVペグや、40cmくらいの長いペグでは起こりにくい。
しかし、たとえ細く短いピンペグであっても先程の例のようにコンクリートの穴に挿した場合ならこんなことは起こらない。
なぜか。
土は基本的に柔らかく、そして崩れるからだ。
たとえば、長さ20cmのペグを半分の10cmだけ90度と45度で打ち込む。
そして張り綱の方向に力を加える。
地面にもよるが45度の方は簡単に土が崩れて起き上がり外れてしまうだろう。
ポイントは抜けるのではなく土が崩れて「外れる」のだ。
対して90度の方は45度の場合よりも力が必要だ。
上方に引っこ抜くなら割と簡単に抜けるが、斜め45度に力を加えて抜くとなるとちょっと大変だろう。
気合いを入れて力をこめると、穴が広がり抜けるはずだ。
ポイントは土が崩れるというよりも穴がちょっと広がって「抜ける」だ。
これが45度の場合と90度の場合の違いだ。
同じ外れるにしても内容が違う。
45度は「外れる」だが、90度は「抜ける」という表現になる。
つまり、同じ長さを打ち込んだとしても45度の場合地表付近では押えが効かないのだ。
張り綱を掛けて45度で頭の部分までしっかりと打ち込めば、張り綱に力を加えたところでそう簡単に外れることはないだろう。
しかし実際にそのペグを押えているのはペグ先端の方だけなのだ。
10cmで簡単に外れた事を考えると、だいたい地表から10cmくらいはほとんど効いていないと考えて良いのではないだろうか。
もちろん土の硬さ、状況にもよるだろうが。
着目すべきは土が崩れる方向だ。
45度の場合はペグよりも地表側にある土が、地表に向かって崩れる。
対して90度の方はペグよりも上方には土はなく崩れようがない。
よって90度の場合は土が「崩れる」のではなく「抜ける」になるのだ。
つまり45度で土が崩れる可能性と90度で抜ける可能性では、遙かに45度の土が崩れる可能性の方が高いだろう。
また、同じ長さのペグでも45度よりも90度の方がより深く挿すことになる。
だからペグは45度よりも90度が良いというのが私の見解となる。
といことでそろそろまとめてみる。
力学的には力の方向(張り綱)に対し90度で受ける45度が絶対的に正解なのである。
しかし、実際には土は崩れるものだから崩れやすい45度が正解とは言い切れなくなる。
そこで
・抜け防止には角度を付けた方が良い
(理想は張り綱に対し90度(地面に対しては45くらい))
・土の崩れ防止には90度(地面に対し垂直)が良い
という相反することを考慮し、間を取って
70度前後が基本スタイル
というのが良いのではないかと思う。
まあ、70度くらいならば、抜け防止としてもそれなりに効果あるし、崩れ防止としても45度ほどではない。
基本スタイルというのは、あくまでも基本であって、土の硬さや、ペグの形状等、その時々によって臨機応変にという意味だ。
なんだ、結局はっきりしねーじゃんと言われてしまいそうだが、キャンプなんてそんなものだろう。
正解は状況により変わるものだから、確定したことなんて私ごときには言えないのである。
まあつまりは、ごたくはいーから実践あるのみ。
私のいうことなんて
「なんかごたく並べてるヤツがいるぜ」
ぐらいに考えてとにかく実践して自分のテント、タープに最適になるような具合を探るべしである。
思いのほか長くなりすぎたので記事を分けるとする。
その2へつづく
その2(角度打ち編)へ進む
その3(形状編&最強ペグの座)へ進む
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